舞紅水中花　 （ぶこうすいちゅうか）



山茶花が鎮座する上からジャスミンがいくつも連なり水面へ伸び、

水中を千日紅の花びらと山茶花の柱頭が舞う華やかで素敵な工芸茶です。


可愛らしい夕顔の形をした舞花水中花を一つガラス茶器に落としてお湯を注ぐと、

ゆっくりと開いていく茶葉からいくつもの小さな花が水中に舞い飛びます。

赤い花の正体は、千日紅。千日紅の花びらを茶葉の中に閉じ込めて、

丁度茶葉が開いた時に、舞い出るようにしたのです。

そして、もう一つ水中を舞っている花の正体は、山茶花（茶花）の柱頭です。

黄色の茶花の柱頭と、千日紅の赤色の花びらが、水中を華やかに舞います。

完全に開いた茶葉からは、山茶花を根元にジャスミンが連なって水面に向かって伸びます。

色々な仕掛けが楽しい、工芸茶の中でも特に面白いお茶だと思います。

湯気と共に山茶花の甘い香りとジャスミンの爽やかな香りが、

立ち昇りその組み合わせに、あなたもきっと夢心地になるでしょう。


一口花舞水中花を味わうと、山茶花の柔らかい甘味とジャスミンの爽やかな風味が、

銀針茶の味わいと綺麗に混じりあい、思わず次の一口が止まらなくなるおいしさです。

水中を舞う花と力強く鎮座する花それぞれの姿を堪能しながら、

お茶の素敵な味わいをお楽しみください。